Last modified: 02/10/12
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Fujitsu FMV-BIBLO LOOX T8/80 に Vine Linux 2.5 をインストールする。

「幻の」とか枕言葉のつく T8/80 ですが、Vine で快調に使えています。
インストールの際には 平本さんのページなどでほぼ充分な情報が得られますが、 Tシリーズ特有の機能/Vine2.5 固有の問題もありますのでいちおうメモを書いてみます。

■ 目次

■ パーティション

購入直後、又はリカバリCDでリカバリした直後は、
C: NTFS 26.9GB
D: NTFS 1.00GB
のようにパーティションが切ってあります。LOOX のリカバリCD はよくある「パーティションも切り直してOSを入れ直す」 タイプなので、XP とプレインストアプリを残したかったらここでパーティションマジックや GNU Parted を使ってパーティションを切り直す必要があります。

私はパーティションマジックで、D: を消して、C: をデフラグした後に 20GB まで減らしました。

■ Vine2.5 のインストール

特に難しいことは無いと思いますが、 ハイバネーションをしたい場合はそのための領域(領域ID: a0)が必要です。 詳しくは上記平本氏のページを参考にして下さい。 この領域は /dev/hda4 じゃ無ければダメだ、という情報もあるようですが、 私の所では /dev/hda3 でも問題なく使えています。

また、02/08現在、NTFS に Linux から自由に読み書きはまだできないので、 XP 側とデータの交換が頻繁にあるのなら FAT32 も作っておいた方が便利でしょう。 というわけでパーティションはこうなっています。 (メモリ増設に伴いパーティションを切り直しました。 いまはこっちのようになっています。)

 デバイス ブート   始点      終点  ブロック   ID  システム
/dev/hda1   *         1      2550  20482843+   7  HPFS/NTFS
/dev/hda2          2551      2554     32130   83  Linux
/dev/hda3          2555      2572    144585   a0  IBM Thinkpad ハイバネーション (138MB)
/dev/hda4          2573      3648   8642970    f  Win95 拡張領域 (LBA)
/dev/hda5          2573      2589    136521   82  Linux スワップ
/dev/hda6          2590      3482   7172991   83  Linux
/dev/hda7          3483      3648   1333363+   b  Win95 FAT32

また、トラックポイントは Generic 3 Button Mouse (PS/2) として認識されます。

カーネルパラメータ: apm=on acpi=off
としました。 ここによると、2.4系カーネルでは apm が有効にならず、shutdown -h しても halt するだけで電源が落ちないそうなので。

X に関しては、インストール時は、

ことで、一応画面には映ります。が、T8/80 の液晶は 1280x768 なのでこれだと縦横比が狂います。 ここはいったんこれで我慢しておきます。 後から直す方法はこっちに。

■ Ctrl と Caps Lock の入れ換え

root で kbdconfig → jp106_CTRL_CAPS を選択。という方法は X 上では効かなく なったみたいなので、/etc/X11/XF86Config-4 の
Options "XkbOptions" "ctrl:nocaps"
の行のコメントを外して X を再起動(例えば Ctrl+ALt+BackSpace)。 リブートの利便性を考えると両方とも設定しといた方が良いでしょう。

■ シャットダウン

/etc/inittab の
ca::ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t3 -r now
の行を
ca::ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t3 -h now
と修正します。

これで、Ctrl+Alt+F5 で仮想コンソールに行ってから Ctrl+Alt+Del で シャットダウンできます。カーネルパラメータとして apm=on である必要あり。

■ 内蔵 Ethernet ポート

特に何もしなくても以下のように正しく認識されます。
8139too Fast Ethernet driver 0.9.24
PCI: Found IRQ 9 for device 00:12.0
eth0: RealTek RTL8139 Fast Ethernet at 0x8000, 00:e0:00:5c:bd:47, IRQ 9
eth0:  Identified 8139 chip type 'RTL-8139C'
eth0: Setting 100mbps full-duplex based on auto-negotiated partner ability 41e1.
RealTek ですから、いわゆる蟹チップですね。

■ XFree86

私はMagicPoint でプレゼンテーションをしたかったので、外部ディスプレイ端子にはどういう解像度で出ていくのか が重要だったのですが、どうやら液晶に映っている解像度で出ていくようです。

なので、プレゼンテーションをするときは 1024x768 にして (この時液晶パネルには横に間延びした絵が映っている。 BIOS 設定で画面伸長を disable にしてもそうなる。が気にしない)、 また普段は 1280x768 で使っています。 /etc/X11/XF86Config-4 については 富士通のページ などにも設定例が置いてあります。 一応、私の使用している XF86Config-4 も置いておきます。

■ サウンド

Vine2.5 には sndconfig が動かないバグがある ので、そのページの指示通り新しい sndconfig を落してきます。 ALSA を新たに入れなくてもでした。
% wget ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/linux/Vine/Vine-2.5/updates/RPMS/i386/sndconfig-0.68-2vl1.i386.rpm
% su
# rpm -Uvh sndconfig-0.68-2vl1.i386.rpm
# /sbin/sndconfig
これで『モデル: Acer Laboratories Inc. [ALi]|M5451 PCI South Bridge Audio』 と検出されます。 『音が聞こえますか?』の場面でもちゃんと聞こえます。

xmms では OSS のドライバを選べば OK です。

■ ハイバネーション(フタを閉じたときメモリの内容をハードディスクに書き出して休止状態)

例によって 平本さんのページここ に詳しいです。

ここから lphdisk-0.9.1.tar.gz を取ってきて、

% tar zxvf lphdisk-0.9.1.tar.gz
% cd lphdisk-0.9.1
% make
で lphdisk を作ります。そのまま実行すると
% su
# ./lphdisk
Warning: /proc/partitions does not match partition table.
と出て機能しませんが、
# lphdisk -f
Reccomended partition size is 134 MB (274434 sectors)
Warning: /proc/partitions does not match partition table.
Creating hibernate area on /dev/hda, partition 3...
のように -f オプションでうまくいきます。 lphdisk のソースも読んでみましたがこれで特に問題ないと思います。 ちなみに type a0 の領域(すなわちここでは /dev/hda3)を自動的に探して その領域のフォーマットが始まるので、 その領域を作っておく必要はあります。

フォーマット終了後リブートして BIOS 設定から Save To Disk を選んでおきます。 これで Vine 上でもフタ閉じでハイバネOKです。

※ Windows XP で使えるようにするためには、さらに コンパネ→電源オプション→詳細設定タブ→「ポータブルコンピュータを閉じたとき」 をスタンバイから休止状態にする必要あり。ただし、これでフタを閉じると 開けたときに LILO が立ち上がるので注意(Vine がデフォルトとのときはそっちの ブートが始まる)。LILO で WinXP を選べばそっちが休止から復帰、 とちょっとスマートではない。

■ ハイバネーション後に音が出なくなる

モジュールをロードしなおすと直るようです。すなわち、
% su
# rmmod trident
# insmod trident

■ more を使うと kterm 上で画面が乱れる

ここ にある termcap.diff を頂いて、patch /etc/termcap < termcap.diff

■ 内蔵コンボドライブで CD-R を焼く

cdrecord を使って CD-R を焼きたいのですが、cdrecord は SCSI 専用であり、 内蔵コンボドライブは ATAPI デバイス(セカンダリマスタ)なので そのままでは焼けません。

この辺 などを参考に、SCSIエミュレーションを使います。 Vine 2.5 では、/etc/lilo.conf の自分のブートしたい image のところに

append="hdc=ide-scsi"
を付け足すだけでOKです。 ただし私の場合は上で書いたように apm のカーネルパラメータも付けてるので、結局このようになっています。
image=/boot/vmlinuz-2.4.18-0vl3
        label=linux
        read-only
        root=/dev/hda6
        append="apm=on acpi=off hdc=ide-scsi"
/etc/lilo.conf を修正したら、root で /sbin/lilo してリブート。 cat /proc/scsi/scsi の結果はこのようになります。
Attached devices: 
Host: scsi0 Channel: 00 Id: 00 Lun: 00
  Vendor: TOSHIBA  Model: DVD-ROM SD-R2102 Rev: 1G15
  Type:   CD-ROM                           ANSI SCSI revision: 02
ちなみにこのリブートの結果、/dev/cdrom はこれまでは /dev/hdc への シンボリックリンクだったのが、/dev/scd0 へのシンボリックリンクへと 自動的に書き変わっています。

また cdrecord -scanbus コマンドで見てみると

Cdrecord 1.9 (i586-pc-linux-gnu) Copyright (C) 1995-2000 Jrg Schilling
Linux sg driver version: 3.1.22
Using libscg version 'schily-0.1'
scsibus0:
        0,0,0     0) 'TOSHIBA ' 'DVD-ROM SD-R2102' '1G15' Removable CD-ROM
        0,1,0     1) *
        0,2,0     2) *
(以下略)
と見えます。なのであとは mkisofs でイメージを作ったのちに
# cdrecord -v dev=0,0 speed=8 -pad foo.img
のようにすれば OK です。 裏でコンパイルをしていても 8倍速で問題ありませんでした。

ちなみに cdrecord はソースからコンパイルしました。ログはこっち

■ メモリ増設・セットアップし直し

LOOX T8 に増設できるメモリは最大 128MB まで、となっていますが、 実は256MBも増設できるという話は有名みたいです。 つまりオンボード128MBと合わせて最大 384MB になります。 というわけで、メルコのMS133-256MY という MicroDIMM を買いました。

増設方法はオンラインマニュアルに載っています。 ただし見付けづらいので直接ファイルのありかを書くと、 C:\Program Files\Fujits\sadata\fmvguide\hard\inst_mem.html がそうです。 これをブラウザで開いて印刷しておいて作業に入ります。 この方 も書いておられますが、キーボード手前のパーツがかなり外しづらいですが、 それ以外は特に問題ないでしょう。

増設後最初の起動時に、

ERROR
ハードディスク上のSave To Disk領域が不足しています。
Save To Disk機能を使用するためには、Save To Disk領域を作成し直してください。
と言われてブートが止まります。 上で書いたようにハイバネ領域を 138MB しか取ってないので、 このままでは物理メモリの方が上回ってハイバネできない、 というわけです。 再セットアップです(泣)。

ところで、今回のように物理メモリ>ハイバネ領域になった場合、 ハイバネした瞬間に領域を壊して終り、と予想していたので、 意外と賢い BIOS だと思いました。

再セットアップの手順はこれまでとまったく一緒です。 今度はハイバネ領域として 394MB 取りました。 結局以下のようにしています。

 デバイス ブート   始点      終点  ブロック   ID  システム
/dev/hda1   *         1      2295  18434556    7  HPFS/NTFS
/dev/hda2          2296      2300     40162+  83  Linux
/dev/hda3          2301      2351    409657+  a0  IBM Thinkpad ハイバネーション
/dev/hda4          2352      3648  10418152+   f  Win95 拡張領域 (LBA)
/dev/hda5          2352      2400    393561   82  Linux スワップ
/dev/hda6          2401      3484   8707198+  83  Linux
/dev/hda7          3485      3648   1317298+   b  Win95 FAT32

ただし、これで lphdisk を実行すると、

Recommended partition size is 518MB
と出て来ます(が、フォーマットはしてくれます)。 本当に 518MB ハイバネ領域を取らなきゃいけないのか不明ですが、 一応 394MB でいまのところ問題なくハイバネできています。
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